おもてなしの場では、テーブルの上もまたゲストを迎える大切な空間のひとつです。特別な料理を用意しなくても、整えられた食卓があるだけで、おもてなしの気持ちが伝わります。
この記事では、おもてなしのテーブルコーディネートを考えるときのポイントや、おすすめのアイテム、注意しておきたいことなどをまとめました。
形だけにとらわれない、心のこもったコーディネートづくりのヒントとして役立ててください。
おもてなし用テーブルコーディネートを考える際のポイント
おもてなし用のテーブルコーディネートを考える際は、ポイントを押さえることで、よりその場にふさわしい華やかさを演出できます。
ここでは、まず考えておきたいおもてなし用テーブルコーディネートのポイントを解説します。
──おもてなしのテーマを決める──
まず意識したいのは、おもてなしのテーマです。
誕生日会や就職祝い、普段お世話になっている人を招待したパーティー…おもてなしを行うシーンはさまざまです。そして、おもてなしのテーマによって、テーブルコーディネートのテイストは大きく変化します。
どういったおもてなしを行いたいのか、どう喜んでほしいのか。まずはおもてなしのテーマを明らかにした上で、テーブルコーディネートの方向性を決めましょう。
──色と素材のバランスを考慮する──
テーブルの色づかいは、多すぎても少なすぎても散漫な印象になりがちです。全体のトーンは2〜3色にまとめることで、空間に統一感が生まれます。
さらに素材の組み合わせも重要なポイントです。
たとえば、ガラスとリネン、陶器と木製のプレートなど、異なる質感を組み合わせることでテーブルに明るさと華やかさが加わります。一方で、同素材でまとめたテーブルコーディネートは、整然としていて落ち着いた雰囲気です。
色も素材も主張しすぎず、引き算を意識してみましょう。
──空間全体を考慮してコーディネートする──
テーブルの上だけでなく、その周囲に広がる空間にも目を向けると、印象はより洗練されていきます。
たとえば椅子の背にかかる布や、サイドボードに飾られた一輪の花、照明の高さや光の色など。食卓は空間の一部であることを忘れず、背景やまわりのインテリアとも調和させることで、場の空気が整います。
──ゲストとの関係性に合わせて演出を調整する──
おもてなしのコーディネートは、相手との距離感を考えて整えることも大切です。
たとえば気心の知れた友人なら、きっちりしすぎずナチュラルな演出なほうが、心地よさを感じるかもしれません。反対に、上司や目上の人を迎える場面では、無駄がなく洗練されたコーディネートが好印象につながることもあります。
ゲストとの関係性も踏まえてコーディネートを整えることで、相手にとっても心地よい時間が生まれます。
おもてなしのテーブルコーディネートに合うアイテムの選び方
テーブルコーディネートでは、使うアイテムひとつひとつが空間の印象を左右します。
ここでは、おもてなしの場にふさわしいアイテム選びの基本をご紹介します。
──食器・カトラリー類──
テーブルコーディネートの印象は、食器やカトラリーの選び方で大きく変わります。
たとえばホテルライクなきちんとしたおもてなしを目指すなら、シンプルですっきりとしたデザインの食器・カトラリー類がおすすめです。ホワイト・シルバー・ガラス系の色味で統一すると、上品で落ち着いた雰囲気に整います。
一方で、気のおけない友人や家族との集まりであれば、少し遊び心を加えても良いかもしれません。カラフルな色合いやユニークな形の器を使うと、食卓がにぎやかになり、会話も弾みます。ただし、食器の色が料理と喧嘩しないよう、食材との相性にも配慮しましょう。
また、丸い皿が多い中にひとつだけ四角い器を差し込むと、コーディネートに変化が生まれ、単調な印象を防ぐことができます。
より詳しい選び方については、下記の記事も参考になるので、ぜひチェックしてみてください。
食器の選び方ノコツ|おいしく見える色やセンスよく組み合わせるポイント – maturite
──飲み物に合わせたグラス──
「ワイングラス」と一口に言っても、実はさまざまな形があります。
おもてなしの場にワインを出すなら、銘柄や種類に合わせてグラスを選ぶと、よりていねいな印象になります。
赤ワイン用・白ワイン用で形を変えるだけでも、味わいの変化をより楽しめるようになるでしょう。グラスのデザインによってテーブル全体の雰囲気も整います。
ワイングラスの選び方は、以下の記事も参考にしてください。
ワイングラスの正しい選び方とは?ワインの魅力を引き出すグラス類 – maturite
──テーブルクロス・テーブルランナーなどのファブリック類──
ファブリックは、テーブルコーディネートの印象を決定づける大切なアイテムです。色や素材を変えるだけで、同じ器を使っていてもまったく違った雰囲気に演出できます。
たとえば、光沢のあるサテン調の白いクロスなら、清潔感とフォーマルさを感じさせますし、同じ質感でもボルドーにすれば重厚で落ち着いた印象になります。
一方で、同じ赤系クロスでも麻素材なら、ナチュラルで温かみのある演出も可能です。
また、ファブリックは食べこぼしなどで汚れやすい場所でもあるため、お手入れのしやすさも選ぶ際のポイントにしておくと安心です。
──テーブルフラワー──
花があるだけで、テーブルにぱっと華やぎが加わります。
立派なアレンジメントでなくても、ゲスト一人ひとりの席に小さな一輪挿しを添えるだけでも、心のこもったおもてなしに感じられます。中央にテーマカラーの花をあしらったり、テーブルランナーに沿って小ぶりの花を等間隔で並べるのもおすすめです。
ただし、花の高さはゲスト同士の視線を遮らない程度であることが重要です。背の高い花は、会話の妨げになることがあります。
また、香りの強い花は料理の風味を損なってしまう場合もあるので、選ぶ際には香りの控えめな種類を選ぶとよいでしょう。
──キャンドルライト──
キャンドルを灯すと、テーブルにやわらかさと品格が加わります。特に夜のおもてなしでは、照明だけでは出せない温もりが感じられ、印象的な時間を演出できます。
ただし、高さのあるキャンドルを並べすぎると圧迫感が出てしまうことも。複数使いたい場合は、背の低いキャンドルと組み合わせながら、全体のバランスを整えるのがポイントです。
また、香り付きのキャンドルは料理の香りと混ざってしまうため、無香料タイプを選ぶことをおすすめします。
テーブルコーディネートの食器の基本の配置
こちらが、テーブルコーディネートにおける食器の基本的な配置です。
料理の順番に沿って「ナイフとフォークは外側から使用できること」を意識して配置すれば、間違う心配はないでしょう。
グラス類はお皿の右上、パン皿は左上に配置します。
おもてなしのテーブルコーディネートを考える際の注意点
「おもてなしをしよう」という気持ちが強く出過ぎ、あれこれとさまざまなアイテムを取り入れた結果、テーブルコーディネートが雑多な雰囲気になることもあります。
おもてなし用のテーブルコーディネートは、ゲスト目線に立って考えることが大切です。
ここからは、おもてなしテーブルコーディネートを考える際に注意したいポイントを解説します。
──テーブルアイテムを詰め込みすぎない──
テーブルコーディネートを考える際、テーブルの上にあれこれと詰め込みすぎてしまうと、全体の印象が散漫になってしまいます。
余白もまた、空間を整える大切な要素のひとつ。ゲストが視線をどこに置いていいか迷わないよう、ひとつかふたつの主役を決めて、あとは引き算で整えるのがおすすめです。
──ゲストの「使いやすさ」を忘れない──
グラスが取りにくい位置にあったり、カトラリーが装飾の一部のように並べられていたりすると、ゲストは遠慮してしまうもの。
おもてなしのテーブルコーディネートでは、見た目以上に動きやすさや使いやすさが大切です。
ゲストが自然と手を伸ばせる、そんな距離感を意識した配置に整えていきましょう。
──過剰に正解を求めすぎない──
テーブルマナーや正式な配置ルールにとらわれすぎると、演出がどこかぎこちなくなってしまうことがあります。
基本を押さえることは大切ですが、大事なの心地よい空間をつくること。きちんと感と気軽さ、そのバランスを見極めながら、自分らしいおもてなしを目指すのが、いちばん美しい整え方かもしれません。
まとめ|「おもてなし」のテーブルコーディネートでゲストを迎える
おもてなしのテーブルコーディネートに、決まった正解はありません。大切なのは、ゲストを想う気持ちが、空間や食卓に自然とにじみ出ていることです。
器の選び方や色の組み合わせ、花やクロスのあしらい方。どれもほんの少しの工夫で、特別な一日をより印象深く演出できます。
おもてなしの時間が、ゲストにももてなす側にとっても楽しい時間となるよう、この記事が参考になれば幸いです。