アートを美しく見せるには、飾り方にひと工夫加える必要があります。
工夫といっても難しいことはなく、簡単なテクニックを取り入れるだけで問題ありません。居室のインテリアとして飾る場合はもちろん、オフィスやマンションエントランスなどに飾る際にも、同じテクニックを用います。
アートが空間の中に溶け込み、目をひく存在になるような、そんな飾り方や作品の選び方についてご提案します。

アートをより美しく見せる基本の飾り方

アート作品を壁に飾ってみたけれど、どことなくバランスが悪くパッとしない……といった経験はないでしょうか。
アートには美しく見せる飾り方があり、正しいバランスやアイデアを取り入れることで作品も空間も、より魅力的に映えます。

──基本は目線の高さ──

アートを壁に飾る場合、基本の高さは「目線の位置」です。
つまり床から150?170センチくらいの位置に飾ると、空間との調和が取りやすく、アートの存在感も強まります。
低すぎる位置に飾ると、どうしてもバランスが悪く見えてしまいがちです。アートを低い位置で美しく見せるにはテクニックがいるため、正解がわからない場合は目線の高さを選択することをおすすめします。

──フレームの装飾性も大切──

美しいアート作品の存在感を強調するのであれば、フレームはシンプルなデザインのほうが好ましいです。逆にアート作品がシンプルすぎる場合は、フレームで装飾性をプラスするのも良い方法です。
とはいえ、大きなフレーム+派手なデザインはややうるさすぎる印象を生んでしまいます。装飾性の高いフレームを選択する場合は、小さめサイズのアートと組み合わせるのがおすすめです。
小さなフレームの中でもフォトフレームはデザイン展開が豊富なため、選択肢の幅が広がります。アート作品と組み合わせて、印象的な彩りを作り出してみてください。

──四角い枠をイメージする──

アートを複数枚飾る場合は、「見えない四角の中に収める」ことを意識してみてください。
インテリアのカタログ、雑誌などで、1枚の壁に複数枚のアートをランダムで飾ったかのような光景を見かけることがあります。しかしその配置をよく見てみると、見えない四角の枠に収まっていることに気が付くでしょう。
試しに1番外側にあるアートのフレームそれぞれの縦横ラインが繋がるように、配置をしてみてください。ランダムに飾られたようで、まとまりを感じられるでしょう。

【玄関・狭い個室】空間を印象づけるデザインを選ぶ

ここからはアートの飾り方やデザインを、場所別にご提案します。

玄関や狭い個室に飾るのであれば、「ここはこう見せたい」と思うイメージを具現化したアート作品を選択してみてください。
たとえば、爽やかな印象を与えたい空間であれば青や白がメインカラーとなった絵を。シックな印象なら黒や深いグリーンなどを用いた絵を飾ってみましょう。
狭い場所ではアートの存在感が強調されます。つまり、アートのデザインによって空間のイメージそのものが左右される、といっても過言ではありません。
狭い空間に飾る絵は、その場に与えたいイメージを明確にさせてからデザインを選んでみてください。

【リビング】インテリアと合わせて

リビングに飾るアートは、インテリアとのバランスを見て選択することをおすすめします。
インテリアと同系色の色味を持ったアートにする、もしくはアートがアクセントとなるようにインテリアにはない色味を選ぶ、といったふうに、インテリアの中でアートをどう溶け込ませるかを考慮してみましょう。
加えてリビングは広さのある空間なため、アートを2個3個と複数枚飾ることも考えられます。飾る場所や大きさなどをそれぞれ変える場合でも、アートのデザインには統一性を持たせましょう。
アートのテイストがバラバラになっていると、1枚1枚のインパクトがぼやけ、存在感が薄れてしまいます。
同じテイストで揃えることで、合わさって1つのアートとして捉えられるため、アートの印象も強くなり空間に統一感が生まれます

【寝室】落ち着いたモノトーン調が相性◎

寝室には、モノトーン調といった落ち着いたデザインのアートがよく合います。
寝室は1日の疲れを取り、リラックスする場所です。デザインが派手すぎず、穏やかなアートを選択すると良いでしょう。
もちろんアートは好みで選ぶものなため、「派手なアートの方が落ち着く」「寝室のインテリアと落ち着いたアートが合わない」というのであれば、希望するデザインを選んでも構いません。
大切なのは、ずっと眺めていられるくらい心を落ち着かせるデザイン、好みのアートであることです。落ち着いたモノトーン調+寝室はハズレが少ないですが、それ以上に自分にしっくりくるアート作品を見つけたのなら、積極的に飾ってみてください。

アートの飾り方は基本を押さえておけば、正解にたどり着くのはそう難しくありません。
インテリアとのバランスを見ること、空間にどのような印象を与えたいのかを意識してアートを選び、より美しく見せる飾り方を工夫してみましょう。