寝室は一日の疲れをほぐし、明日への力を蓄える大切な場所。そのため「落ち着く」「心地よい」と思えるような工夫が求められます。

この記事では、落ち着く寝室の条件から、具体的な作り方のポイントまでをご紹介します。今の寝室を少しずつ整えたい方、モデルルームやビジネスで寝室をデザインする方は、本記事をぜひヒントとして活用してみてください。

 

落ち着く寝室の条件とは?

「落ち着く」という感覚は、人それぞれ異なる部分もあります。チカチカと眩しいゲーム画面を眺めていると落ち着く人もいれば、緑や空を見ていると心が静まる人もいるでしょう。

それぞれ細かい部分の好みは違うものの、ある程度共通する内容もあるようです。

たとえば神戸大学の「個人空間における快適さに関する研究」によると、以下の内容が「人が落ち着くと思える空間」に共通していることが判明しています。

  ● 窓があること
  ● 背後に壁があること(女性はとくに囲まれた空間を好む傾向にある)
  ● 音楽や調光など気分によって変えられる設備
  ● 自分の状況によって簡単にレイアウトを変えられること

また、「落ち着いた」という状態は、単調・静的・しみじみとしたといった印象と結びついているとも言われています。

華やかさよりも、穏やかさや余白を意識した空間づくりが、落ち着ける寝室への近道といえるでしょう。

 

落ち着く寝室の作り方

落ち着きのある寝室をつくるためには、色・照明・レイアウト・インテリアなど、複数の要素をバランスよく整えることが大切です。

ここでは、取り入れやすい5つのポイントを解説します。

【参考資料】
・京都工芸繊維大学論文|光環境と睡眠
・健康科学大学紀要 第5号(2009)|色彩嗜好と色彩の心理効果の性差1) Gender differences in color preference and the psychological effect of color
・九州女子大学 インテリア研究会|インテリア関係 調査・研究 報告書 「家具配置が室内空間の広さ感に与える影響について」
・神戸大学発達科学部研究紀要,1(2):149-163|個人空間における快適さに関する研究

 

──目指す寝室イメージを明らかにする──

まず大切なのは、どんな寝室にしたいかをある程度明確にしておくことです。

「落ち着く寝室」といっても、ナチュラルな木の温もりを感じる空間なのか、ホテルのようにすっきりとした空間なのかによって、選ぶ家具や色、素材は大きく変わります。

完成後とイメージに大きなズレが生じないように、目指したい寝室のイメージ画像をいくつか集めておき、共通するテイストや色を把握しておくことで、その後の選択がぐっとスムーズになります。

 

──心理的に落ち着くカラーを取り入れる──

色は、空間の印象だけでなく心理的な状態にも影響を与えます。

たとえば、研究によると青や緑には安心感を高め、気持ちを穏やかに整える効果があると言われています。クッションやカーテン、ラグなど、インテリアの一部にこれらの落ち着いたカラーを取り入れることで、空間に自然と馴染みつつ、気持ちをリラックスさせてくれます。

一方で、赤や紫には緊張感を与えやすい面があるため、寝室の主役カラーとして使うのは避けたほうが無難かもしれません。

 

──照明は気持ちをリラックスさせる明るさ・位置を選ぶ──

寝室の照明は、「明るさ」だけでなく「色温度」と「位置」も重要なポイントです。

電球色のような暖かみのある光は、空間に落ち着いた雰囲気をもたらします。就寝前にこうした光のもとでゆったり過ごすことで、自然な眠りへと導かれやすくなります。

また、照明が直接目に入ると覚醒を促してしまうことがあるため、視界に光源が入りにくい位置を選ぶことも大切です。たとえば足元のフロアランプや間接照明を活用すると、やわらかな光が空間全体に広がり、リラックス感が増します。

調光機能を取り入れれば、気分や時間帯に合わせて明るさを変えることができ、より自分らしい寝室の空間をつくることができるでしょう。

 

──心地よいレイアウトを意識する──

家具の配置は、寝室の使いやすさだけでなく、心理的な安心感にも大きく関わります。

ベッドまわりのレイアウトでは、通路となるスペースを意識することがポイントです。人が通る部分は60cm以上、余裕があれば70cm以上確保できると、動きやすくストレスを感じにくくなります。

掃き出し窓との間隔は70cm以上あると、カーテンの開閉もスムーズです。また、日の光が直接顔にあたりにくい距離のため、眩しい朝日で早すぎる時間に目が覚めるのを防げます。

収納家具の扉や引き出しの開閉に必要なスペースも60〜70cm以上が目安です。これ以上の狭さになると開閉がしづらくなり、奥も物を取り出すのに手間がかかります。

ツインベッドを使用する場合は、くっつけても問題ありませんが、2台の間に50cm以上のすき間を設けると、どちら側からでも出入りしやすくなります。

加えて、部屋を広く感じさせる工夫として、入口から奥に向かって家具の高さを低くしていくレイアウトもおすすめです。錯視効果によって奥行きが生まれ、天井が高く見えやすくなります。

さらに、人間は左側の空間を重視する傾向にあるとされているため、ドアを開けて左側をすっきりと開けておくのも良い方法です。家具を置く際は、低め(高さ90cm以下を目安)の家具を配置することで、より広やかな印象を与えられます。

寝室での安心感という点では、ベッドの背後に壁があることも重要です。背後を壁に守られることで、無意識に気を配る範囲が狭まり、落ち着いた気持ちで過ごしやすくなります。

 

──ベッドの素材・硬さなども重要──

落ち着ける寝室づくりにおいて、見落としがちなのがベッドそのものの選び方です。

マットレスの硬さは、体型や寝姿勢によって合うものが異なります。柔らかすぎると体が沈み込んで寝返りが打ちにくくなり、硬すぎると肩や腰に圧がかかりやすくなることも。一般的には、仰向けに寝たときに腰と背中の間に大きなすき間ができないくらいの硬さが、体への負担が少ないと言われています。

 

素材の面では、肌ざわりの良いリネンやコットン素材を選ぶことで、眠りにつく前のひとときから、心地よさを感じられます。

ベッドフレームの見た目も空間の印象に大きく影響し、寝室の心地よさを左右する要素です。たとえば木製フレームは温もりと自然な風合いを感じられるため、落ち着いたテイストのインテリアとも良く馴染みます。

 

──気持ちを落ち着かせる小物類を取り入れる──

家具や色が整ったら、最後に小物使いで寝室に豊かさを加えてみましょう。

たとえばディフューザーやアロマキャンドルを取り入れると、寝室に香りの演出が加わります。お気に入りの香りに包まれた空間は、視覚だけでなく嗅覚からもリラックスを促してくれます。

グリーンも、寝室に穏やかさをもたらすアイテムです。空間のテイストに合わせた鉢植えを置くことで、寝室にやわらかな表情が加わります。

また、好きな音楽をゆったりとした音量で流すことも、落ち着ける環境づくりに役立ちます。就寝前のルーティンとして取り入れることで、心と体をゆるめる時間を自然につくることができるでしょう。

 

まとめ|落ち着く寝室で心地よい時間を過ごす

落ち着ける寝室には、色・照明・レイアウト・小物使いなど、さまざまな要素が関わっています。

どれか一つを整えれば良いわけではなく、すべてのバランスを見ながら空間づくりを行うことで、心からほっとできる落ち着く寝室に近づけます。

まずはカラーや照明など、取り入れやすいところからスタートして、理想の寝室を構築してみてください。