リラックスしたい夜やムードを重視したいとき、強い光を避けて、柔らかな間接照明に切り替えることで、心身ともにリラックスできる環境を作り出すことが可能です。

この記事では、間接照明のメリットや、照明の種類、設置のアイデアについて詳しくご紹介します。

 

間接照明だけで過ごすことのメリット

間接照明だけで過ごすことによって、次のメリットを得られます。

 
──自律神経を整える──

間接照明の柔らかなあかりは、人の心をリラックスさせる効果があることが、研究で判明しています。逆に強い光は、集中力が増し交感神経が活発になることもわかっています。

つまり昼間は明るい光を浴び、仕事や家事を終えた後は間接照明の柔らかい光の中で過ごすことで副交感神経が優位に切り替わり、眠りやリラックスムードに移行しやすくなるのです。

自律神経を整えたい方は、昼は直接照明、夜は間接照明のみといった風に、光の在り方を調整すると良いでしょう。

 
──ストレスの緩和に繋がる──

強い光は気持ちをポジティブにし、やる気を出させる効果があるとされています。一方で、間接照明の淡くて優しい光は、気持ちを落ち着かせ、ネガティブな気分を軽減させる効果を持っています。

ストレスが溜まっていると感じたときは、間接照明のあかりの中で、ぼんやりと過ごすのが良いかもしれません。

 
──部屋が広く感じられる──

間接照明によって生み出される陰影は、空間に奥行きを感じさせます。

影と光のコントラストによって部屋が広く見える効果を得られるため、コンパクトな空間や開放感を演出したい場所などでも、間接照明が活躍します。

 
──おしゃれな雰囲気になる──

海外の映画に出てくる部屋やホテルなどは、照明を落とし薄ぼんやりとした明かりで満ちています。これは欧米の人々の目が強い光に弱いことや、光をインテリアの一部として捉えていることなどが、原因と考えられます。

間接照明の明かりのみで構成された部屋は、このような海外インテリアを連想させ、おしゃれな雰囲気をつくります。

 

間接照明の種類

間接照明の種類はさまざまです。ここからは、空間に取り入れやすい間接照明の種類をご紹介します。

 
──テーブルランプ──

テーブルランプとは、その名の通りテーブルの上に置く小型のランプのことを言います。最近では傘がついていないタイプのランプや、ディフューザーも兼用しているタイプも多いようです。

手元を明るく照らす役割があるため、デスクや食卓などで重宝します。

 
──フロアスタンド──

フロアスタンドとは、床に置かれた背の高いスタンドランプのことを言います。こちらも笠がついているデザインやそうでない物など、種類が豊富です。

また、フロアスタンドは背が高いため、ソファーやテレビボードなど背の低い家具と並べて飾ることで、空間にリズムをつけることができます。

 
──スポットライト──

スポットライトは、一点に光をあてる役割を持つライトです。壁に取り付けるタイプからシーリング型、スタンドタイプなどさまざまな形状から選択できます。

扇型に光が広がるため、光同士を並べたり重ねたり、別の角度から組み合わせたりと光のデザインの汎用性が高い点が、スポットライトの魅力です。

 
──ペンダントライト──

ペンダントライトとは、天井からぶら下がるようにして取り付けられたライトのことをいいます。シーリングライトなどの直接照明と、組み合わせて使うケースが多い印象です。

しかし天井に直接取り付ける照明とは違い、ペンダントライトは光の位置が低いため、対象に焦点を絞って光を照らすことができます。

 
──ブラケットライト──

ブラケットライトとは、壁に直接取り付けたライトのことです。ウォールライトと呼ばれることもあります。

高い位置に取り付けられることが多く、一般住宅では玄関や階段などで用いられることが大半です。

 
──ラインライト──

ラインライトとは、ライン状に構成された照明のことを言います。光源を隠して使用することが多く、住宅では壁や天井に埋め込むようにして設置します。

またガレージの床に設置し、誘導灯として使う例もあります。

 

不便を感じない&空間をおしゃれに彩る間接照明の設置のコツ

間接照明だけで過ごすとなると、「暗くて不便なのでは」と不安に思う方もいるかと思います。

ここからは不便を感じず空間をおしゃれに彩る、間接照明の設置のコツをご紹介します。

 
──空間の用途と広さに合わせて照明計画を立てる──

間接照明を設置するにあたって、まずはその空間の使用用途を明らかにしましょう。

空間の使用用途によっては、間接照明のぼんやりした明るさだけでは過ごしにくく感じてしまうこともあります。また、寝室など心からリラックスしたい場所であれば、間接照明の数は少なくしたほうが良いでしょう。

ただし、間接照明の設置数や光の強さなどを決める際は、空間の広さも考慮が必要です。たとえば寝室のリラックスムードを高めるために、間接照明を導入する場合で考えてみます。

寝室が10畳以上の広さがあれば、1〜2個の間接照明では足りず、夜中にトイレなどで目が覚めたときにつまづいたり、転んだりしてしまうかもしれません。

これらのことから、間接照明を導入する際は「空間で過ごすにあたってどれだけの光が必要なのか」を、明確にすることが大切です。

 
──リラックスした雰囲気を出す場合は低い位置に──

リラックスしたい雰囲気を強調したい場合、光は低い位置に設置するのがおすすめです。光が床に近い位置にあることで目線が自然と下がり、気持ちのたかぶりを緩和できます。

また家具全体にも低さが感じられ、空間の圧迫感が減ることから、心地よさを感じられます。

 
──空間を広く見せたい方は、壁や天井に光をあてる──

空間を広く見せたい場合は、広く見せたい方向に向かって光を当てると良いでしょう。

たとえば、部屋に奥行きを出したい場合は、奥行きを演出したい方向の壁に向かって光をあてます。空間に高さを出したい場合は、光を天井に向けると効果的です。

間接照明の陰影によるコントラストが空間の広さを錯覚させます。コンパクトな場所などでは、壁や天井に光をあてると良いでしょう。

 
──迷ったときはシンメトリーを意識──

光の当て方に迷った際は、シンメトリーを意識すると失敗を減らせます。

たとえば、部屋の両サイドにブラケットランプを設置したり、等間隔で並べてみたり。壁の中心となる部分にランプを設置して、左右の範囲が対象になるようにレイアウトするのも良い方法です。

シンメトリーで光をあてることで、空間の陰影バランスを確保しやすくなり、落ち着いた印象になります。

 
──フォーカルポイントを照らす──

絵やオブジェなど、空間のフォーカルポイントを間接照明で照らすことで、その魅力が際立ちます。お気に入りの物や場所などを、スポットライトで照らしてみましょう。

スポットライトの光の当て方はさまざまです。下から照らせば重厚な雰囲気が増し、上から照らせば華やかな印象がアップします。

また、ショーケースや飾り棚などは、ラインライトを用いて照らすのも良い方法です。飾られたアイテムが薄暗い空間の中で照らされることで、明るい場所で見るときとは違った表情を楽しめます。

 

「リラックスしたい」「ムードを演出したい」空間は間接照明がおすすめ!

間接照明を取り入れることで、空間にリラックスした雰囲気やおしゃれなムードを簡単に演出することができます。

テーブルランプやフロアスタンド、スポットライトなど、多彩な間接照明を活用し、光の配置やデザインを工夫することで、自分に合った快適な空間を作り出しましょう。間接照明をうまく取り入れることで、日々の暮らしがより豊かで心地よいものになるでしょう。