効果的なサイン計画は、店舗の売上げや顧客満足度の向上に役立ちます。しかしサインは店舗イメージを左右する存在でもあるため、伝えたい内容を記載するだけでなく、デザインにも注意が必要です。

この記事では、効果的なサイン計画を実現したい方に向けて、サイン計画のポイントについてご紹介します。

 

サイン計画とは

店舗におけるサインとは、案内表示のことを指します。トイレやレジの場所、禁煙席・喫煙席などを指し示す看板がサインです。店舗外の看板や店のメニュー表やポップなども、サインに含まれます。

サイン計画とは、このサインのデザインや設置位置などについて検討することを言います。

サインは店舗デザインにおいて重要な役割を持つ存在です。サインをわかりやすく表示するのはもちろん、効果的な設置位置を検討したり店舗のコンセプトをデザインに込めたりすることで、お客さまの購買意欲や店舗イメージが左右されます。

 

サイン計画のポイント

サイン計画を検討する場合、次の内容がポイントとなります。
 ● 色
 ● サイズ
 ● 設置場所
 ● 種類
 ● フォント
 ● ピクトグラム
 ● 内容
 ● 規制・安全性
少し多いですが、1つずつ内容を確認してみましょう。

 
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色が人に与える心理的影響は大きいと言われています。たとえば暖色系の色は、温かみや優しさを印象付ける色です。寒色系は清潔感や信頼感などをイメージさせます。医療系のジャンルで、青や緑を使用することが多いのも、この理由です。

ビタミンカラーは元気でハツラツとしたイメージを持つ色です。お子さまのアイテムを思い浮かべると、黄色やオレンジなどの明るい色が多いのではないでしょうか。

サインの色は店舗のイメージに沿ったカラーを選ぶことが大切です。サイン全体のデザイン・文字の色など、店舗カラーをサインのどこかに取り入れることで、印象が残りやすくなります。

また、サインに色を何色使用するかもよく検討しましょう。単色デザインはシンプルで高級感あるイメージに。色をたくさん加えると、カジュアルで明るいイメージになります。

 
──サイズ──

サインのサイズ感も考慮しましょう。大きなサインは見やすいですが、店舗の規模やテイストによっては、少し賑やかすぎる印象を与えてしまうかもしれません。

小さなサインは控えめで店舗のアクセントになります。一方で見にくいため、広い店舗の場合は見つけるのが困難です。

サインのサイズは「誰に何を見て欲しいのか」によって、調整すると良いでしょう。たとえば店舗の看板であれば、外を歩いている人の目に止まりやすいように、大きいサイズを選んだほうが無難です。商品の傍に置かれたポップであれば小さなサイズのほうが、お客さまが商品とサイン内容を同時に確認しやすくなります。

 
──設置場所──

サインをどこに設置するのかも、大切なポイントです。サインを置く場所によって、サインのデザインを考慮する必要があります。

たとえば、トイレや喫煙所などの位置を示すサインは、高い所に設置すると遠くからも把握しやすくなります。逆に。床に描かれたサインなど、低い位置のサインは、その場まで足を運ばないと見えないものです。訪れてくれたお客さまに感謝の気持ちを示す内容や、店舗で過ごす時間が楽しみになるようなデザインが良いでしょう。

 
──種類──

サインの種類はさまざまです。置き型や天井から吊り下げるタイプ、壁に貼り付けたデザインなど、選択肢が豊富にあります。

サインの種類はお客さまに伝えたい内容で、選ぶと良いでしょう。遠くから歩いてきた人に示したいサインであれば、突出型や吊り下げ型などが目に止まりやすいためおすすめです。内容の変更が多いポップやメニューのサインであれば、さっと取り替えがしやすい紙素材が良いでしょう。

サインの内容から種類を検討することで、お客さまに伝えたい内容がより伝わりやすくなります。

 
──フォント──

サインではフォントデザインも注意して選ぶようにしましょう。

明朝体のフォントは上品なイメージです。ただし線を太くデザインすると、力強い印象が増してしまいます。女性向けの店舗では、避けたほうが良いかもしれません。

ゴシック体のフォントは、かわいらしくやわらかなイメージが強い傾向にあります。どのような店舗イメージにも合いやすい一方で、個性の演出が難しい点がデメリットです。また、フォントの種類も豊富のため、選択肢に迷ってしまうかもしれません。

手書き風フォントは、優しくて親しみやすいイメージに。一方で、子どもっぽさを連想させるケースもあるため、店舗イメージを意識しながら使用するポイントに注意しましょう。

店舗イメージや書かれた内容によって、フォントを使い分けるのも良いアイデアです。

 
──ピクトグラム──

ピクトグラムとは、案内記号のことを指します。トイレを示す男女のマーク、優先席のマークなどで使用される人型のデザインは、ピクトグラムの一部です。

近年では、ユニークなデザインのピクトグラムも増えています。見る側に店舗の個性をアピールすると同時に、お客さまの話題にも残りやすいアイデアです。

一方で、「JIS」「IOS」など標準規格で定められているピクトグラムのデザインもあります。誰が見てもわかりやすい点やサインの作成費用を抑えられる点が、標準規格デザインの魅力です。

予算や店舗イメージなどを考慮した上で、ピクトグラムを選択しましょう。

 
──内容──

サインの内容は、誰に向けて何を伝えたいのかをよく検討した上で、決定しましょう。

たとえば、店舗から離れた場所に設置された店舗案内図の看板に、店の詳細やコンセプトを記載しても、読んでもらえる可能性は低いといえます。まずは足を運びたくなるようなデザイン、キャッチコピーなどを掲載したほうが無難です。

席について手にするメニューは、お客さまが内容を把握しやすいように、詳細を記載したほうが良いでしょう。メニューの写真もあると、より料理の内容がわかりやすくなります。

「何を・誰に」を意識してサインの内容を決めることで、お客さまの快適性や視認性が向上し、売上げにも良い影響を与えることが予測されます。

 
──規制・安全性──

屋外に設置するサインの表示形式や設置方法は、法律で定められています。自治体によってもルールが違うため、地域に沿った法令に従って、デザインを検討しましょう。

また、屋内のサインであっても、複合商業施設の場合は施設のコンセプトに沿ったデザインを取り入れる必要があります。設置位置やサイズにも規定があるため、ルールの中で効果的なサイン計画を立てることが大切です。

事前に規則を確認し、設置できる範囲や場所・デザインの中で、効果的なサイン計画を検討しましょう。

 

正しいサイン計画で心地よい店舗づくりを

サイン計画は店舗におけるお客さまの満足度や購買意欲などを左右します。また、店舗の認知度を高めるのにも、効果的な存在です。

お客さまが店舗で快適に過ごすために、サインは欠かせません。伝えたい内容を見直して必要な情報をまとめた上で、表現方法や色・フォント、設置場所などを検討しましょう。