自然素材ならではの質感や、使うほどに変化していく表情が、無垢材の魅力です。一方で、「手入れが大変そう」「本当に自分たちの暮らしに合うのだろうか」と迷う声も少なくありません。

無垢材ならではの良さと、無垢材だからこそ発生してしまう注意点を正しく把握することで、インテリアとの組み合わせ方や日々の暮らしの中での無垢床との在り方なども見えてきます。

この記事では、無垢床の魅力やデメリット、よく使われる木材などを解説していきます。

インテリアや暮らしに無垢材の床を取り入れる予定の方は、本記事をぜひ参考にしてください。

無垢床とはどんな床?

無垢床とは、一本の木から切り出した天然木をそのまま床材として使ったものを指します。「森の中に生えている木そのものが、板状になったもの」をイメージするとわかりやすいかもしれません。

合板の上に木目シートを貼ったよくあるフローリング材とは異なり、表面から内部まで同じ木でできている点が、無垢床の特徴です。原木を乾燥させ厚みや幅を整えて加工するため、木そのものの質感や表情がしっかりと残ります。

一方で、自然素材だからこそ湿度や温度の影響を受けやすく、暮らしに取り入れる際はメンテナンスの負担も考慮しなくてはなりません。

それでも多くの人が無垢床を選ぶのは、日々の暮らしの中で木の変化を感じながら、素材と付き合っていく時間そのものに価値を見いだしているから。

均一ではない表情や使うほどに深まる味わいに、既製品にはない魅力を感じる人が多いようです。

 

──「無垢床が害虫を呼ぶ」と言われる理由──

無垢床が害虫を引き寄せる、という話を耳にすることがありますが、木材そのものが虫を呼び寄せているわけではありません。

実際には経年による無垢材の反りや収縮によって床板の間にわずかな隙間が生じることが、害虫を呼び寄せる原因とされます。その隙間に食べかすやホコリが入り込むと、虫にとって居心地のよい環境になりやすいためです。

適切なお手入れを行えば、害虫に関しては過度に心配する必要はありません。

 

無垢床のメリット

無垢床の魅力は、見た目の美しさだけではありません。

自然素材ならではの心地よさや、長く使うことで実感できる価値などは、無垢床だからこそ感じられるもの。

ここでは、無垢床ならではの代表的なメリットを見ていきましょう。

 

──本物の木ならではの温かみ──

「フローリング=寒い・冷たい」というイメージを持たれてしまいがちですが、無垢床は、足で触れたときにひんやりとしにくく、やわらかな感触があります。そのため冬の寒さの中でも足元の冷えを感じにくい点は、暮らしの中で実感できる大きな利点です。

もちろん夏も心地よく、さらりとしつつやわらかな肌触りに、涼を感じられます。

季節に合わせた心地よさを実感できるのは、無垢材ならではの良さと言えるでしょう。

 

──経年変化を「風合い」として感じられる──

無垢床は、年月とともに色味や質感が少しずつ変化していきます。

日焼けや細かな傷も、過ごしてきた時間の証。新しい状態を保つのではなく、変化を「風合い」と受け入れながら使い続けられる点は、無垢材ならではの楽しみ方です。

 

──寿命が長く耐久性に優れている──

一般的な複合フローリングの耐用年数は15年前後とされることが多い一方で、無垢フローリングは30年以上使えるといわれています。

表面が傷んでも削り直しや再塗装が可能なため、状態を整えながら長く使い続けることが可能です。

初期費用は高くなりがちですが、長い目で見ると無垢床はコストパフォーマンスに優れています。

 

無垢床のデメリット

無垢床には多くの魅力がある一方で、事前に知っておきたい注意点もあります。

ここでは、無垢床を選ぶ前に押さえておきたい主なデメリットを解説します。

 

──導入費用が高額──

無垢床は材料そのものの価格が高く、施工にも手間がかかるため、初期費用が高くなりがちです。

耐久性が高く長く使えるため、無垢材は長期的に見れば経済的な選択肢ですが、導入時のコストを考えると躊躇してしまうケースもあるかもしれません。

 

──床暖房には不向きな製品が多い──

無垢材は温度変化の影響を受けやすく、床暖房の熱によって反りや割れが生じる可能性があります。

無垢材を導入する場合は、基本的には床暖房との両立は難しい点を、考慮しておきましょう。

床対応可能な無垢床もありますが、選択肢が限られたりコストが上がったりする点にも留意が必要です。

 

──自然素材のため温度の変化・衝撃には弱い──

無垢床は、湿度や温度の変化によって伸縮しやすく、反りや目スキが起こることがあります。その影響で、歩行時のきしみ音が気になることも。

また、表面がやわらかいため飲み物をこぼすと染み込みやすいことや、傷がつきやすいことなども無垢材が持つリスクです。

日常生活の中で、ある程度の気配りが求められる床材といえるでしょう。

 

無垢床でよく使われる木の種類

無垢床は、選ぶ木の種類によって印象や使い心地が大きく変わります。

色味や硬さ、木目の出方にはそれぞれ個性があり、住まいのテイストや暮らし方に合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、無垢床でよく使われる代表的な樹種を紹介します。

 

──オーク──

オークは硬くて耐久性が高く、木目がはっきりしているのが特徴です。

明るさと落ち着きを併せ持った色味で、ナチュラルな住まいから少し重厚感のあるインテリアまで幅広くなじみます。

 

──ウォルナット──

ウォルナットは深みのある濃い色合いが特徴で、上質で落ち着いた印象を与えます。木目は比較的おだやかで、空間を引き締めたい場合に向いています。

 

──チーク──

チークは油分を多く含み、水や汚れに強い木材です。耐久性が高く、経年による色の変化も楽しめます。

素材感を大切にした住まいや、自然素材を多く取り入れた空間と相性が良い樹種です。

 

──チェリー──

チェリーはなめらかな質感と赤みを帯びたやさしい色合いが特徴です。使い込むほどに色が濃くなり、落ち着いた表情へと変化していきます。

あたたかみのある、穏やかな雰囲気の住まいによく合います。

 

──パイン──

パインはやわらかく、明るい色味が特徴の木材です。カジュアルな住まいや、自然体で過ごしたい空間に取り入れやすい樹種といえるでしょう。

 

無垢床のお手入れ方法

無垢床のお手入れ方法は、表面の仕上げかたによって異なります。代表的な仕上げ方法は、オイル仕上げと塗膜系塗装仕上げの2種類です。

まずは「オイル仕上げ」の無垢材のお手入れ方法を見ていきましょう。

オイル仕上げの無垢床は、木の内部にオイルを染み込ませて保護しています。表面がコーティングされているわけではないため水分が入り込みやすく、普段の掃除は掃除機や乾いた布で行うのが基本です。

次にウレタンなどの塗膜系塗装の場合です。こちらは表面に保護膜をつくる仕上げ方法です。

汚れが染み込みにくいため、硬く絞った布巾などで拭き掃除を行うことができます。ただし濡れ布巾を使うのは、あくまで汚れが気になったときのみです。

日頃のお手入れはオイル仕上げ同様、乾拭きや掃除機が中心となります。

 

無垢材選びで後悔しないためには

 

無垢床で後悔しないためには、まずメリットだけでなくデメリットもきちんと理解することが大切です。

そのうえで、自分たちの生活スタイルと合っているかを考えてみましょう。「小さな子どもがいる」「こまめな掃除が難しい」「床暖房が必要」といった暮らし方によって、床材の向き不向きは変わります。

フローリングは一度施工すると交換は簡単ではないため、無垢床と自分たちの暮らしが合っているか、じっくり判断してみてください。

また、導入前に実物を見て触れておくのも良い方法です。

サンプルだけで判断せず、ショールームや実際のお宅訪問などで質感を確認しておくと、イメージのずれを減らせます。

 

まとめ

無垢床は「育てる床材」です。家族の成長と共に、風合いや色なども経年変化していきます。その様子を「味」として楽しめるのが、無垢材の大きな魅力です。

一方で、暮らし方によっては無垢材が合わない場合もあります。

見た目の良さやあこがれだけで判断せず、無垢床と共に過ごすことができるのかどうかを、総合的に判断する目が必要です。

記事を参考にして、家族や自分にとって無垢床がベストな選択かどうか、じっくり検討してみてください。