海外のインテリア写真を眺めていると、テーブルや棚にさりげなく置かれた洋書が目に留まります。
装飾をしなくても絵になるその佇まいは、空間に知的で落ち着いた雰囲気を与えてくれるもの。洋書は「読むためのもの」ではなく、「飾ることで完成するインテリアアイテム」としても魅力的です。
この記事では、洋書をディスプレイする場合の本の選び方や飾り方のアイデアを紹介します。
暮らしや好みのテイストに合う一冊を選ぶ上で、ぜひ、役立ててください。
洋書をインテリアとしてディスプレイすることの魅力
洋書は読みものとしても魅力的な本が豊富です。しかしそれ以上に、装丁の写真やイラスト、フォントや色など、日本の書店ではちょっと見かけることの少ない、デザイン性の高さがあります。
洋書を飾るだけで、空間に華やかさや洗練されたイメージが生まれることも、少なくありません。
さらに、洋書は空間に「静けさ」を生むアイテムでもあります。余白を感じる表装デザインが多いため、空間に落ち着きをもたらすためです。
このように、洋書が空間に与える効果は大きいもの。家具や照明を買い替えなくても、洋書を1〜2冊置くだけで部屋の印象が変わるでしょう。
【インテリアテイスト別】ディスプレイ用洋書の選び方
洋書をディスプレイに取り入れる際は、部屋のテイストに合わせた本を選ぶことがポイントです。
ここでは人気のインテリアテイストごとに、相性のよい洋書の色味や質感を紹介します。
──洋書 × 北欧インテリア──

インテリアテイストの中でも、日本人からの人気が高い北欧インテリア。モノトーンやアースカラーなど落ち着いた色を基本とし、パステルカラーを添えるのが、このテイストの基本のコーディネートです。
また、使用する家具類も木質感の強いものやシンプルなデザインなど、落ち着いた印象のものを取り入れます。
そんな北欧インテリアの空間に洋書をディスプレイする場合、白やグレー、淡いブルーなどの洋書を選ぶと、北欧らしい穏やかな空気感に。さらにシンプルな装丁のものを、木のテーブルやリネンのファブリックと組み合わせるのも良い方法です。洋書の静かな佇まいが自然素材に馴染み、空間全体に柔らかな雰囲気が増すでしょう。
──洋書 × ナチュラルインテリア──

ナチュラルインテリアは北欧インテリアとよく似たテイストですが、より自然素材を多く取り入れているのが特徴です。
北欧インテリアがすっきりとしたシンプルさに心地良さを感じるのに対し、ナチュラルインテリアにはほっと心がほぐれる温かみがあります。
ナチュラルインテリアの空間に洋書をディスプレイする場合は、生成りやベージュ、ブラウンなどのアースカラーの洋書がおすすめです。
ウッドやラタンなど、自然素材の家具と相性がよく、やわらかな統一感を生みます。
──洋書 × モダンインテリア──

モダンインテリアは、無駄を削ぎ落としたシンプルさと直線的なデザインが特徴です。
使用する色はモノトーンカラーや、やや暗めのアースカラーなど重厚感ある色を用い、そこにガラスやスチール、レザーなどの無機質な質感を加え、空間全体を都会的な雰囲気へ整えます。
そんなモダンインテリアには、黒やチャコールグレー、ホワイトなどの洋書がよく似合います。
さらに、表紙に装飾の少ないものを選ぶこともポイント。洋書ディスプレイが空間に調和し、モダンテイストが持つすっきりとした印象がより際立ちます。
──洋書 × クラシカルインテリア──

クラシカルインテリアは、中世ヨーロッパの宮廷を思わせる上品で格式あるテイストです。曲線を描く家具やシャンデリア、金の装飾がアクセントとなり、空間に華やかさと重厚感を与えます。
このスタイルに合わせるなら、金文字や厚みのある背表紙をもつ洋書がぴったりです。装丁にクラシカルなデザインが施されたものや、革表紙の洋書を選ぶと、インテリアの格が一段と上がります。
──洋書 × ヴィンテージインテリア──

ヴィンテージインテリアは、使い込まれた風合いを楽しむ「大人のかっこよさ」が魅力です。ブルックリンスタイルやインダストリアルテイストなどがヴィンテージインテリアに該当し、どれも共通してレンガ・アイアン・レザーなどの無骨な素材が多く使われます。
全体的にトーンを落とした配色で、重厚感のあるヴィンテージインテリアには、黒やダークブラウン、グレーなどの落ち着いた色合いの洋書がよく映えます。
少し古びた装丁や厚みのある洋書を、無造作に重ねて飾るのもポイントです。アイアンの棚や木のカウンターに積み上げることで、ほどよくラフな印象を与えられます。
──洋書 × フレンチスタイルインテリア──

フレンチスタイルインテリアは、優雅でありながら軽やかさを感じるテイストです。白やペールグレー、くすんだブルーなどの淡い色合いを基調とし、曲線的な家具やレース、リネン素材を組み合わせます。
クラシカルさの中に、明るくやさしい雰囲気が漂うのが特徴です。
このテイストに似合うのは、柔らかい色味の洋書です。たとえば、アイボリーやライトグレー、淡いピンクの表紙を選ぶと空間全体が明るくなります。
装丁に少しデザイン性のある洋書をテーブルに重ねて、絵になるコーナーをつくる方法もあります。キャンドルや小花と合わせ、パリのアパルトマンのような上品さを楽しむのもおすすめです。
【インテリアテイスト別】洋書ディスプレイのスタイルアイデア
洋書は、本そのもののデザインだけでなく、置く場所によっても印象が大きく変わります。
ここでは、空間ごとのディスプレイアイデアをご紹介します。
──リビング──

リビングに洋書をディスプレイする方法は、本棚やチェストに飾ったり、カウンターテーブルに立てかけたりとさまざまです。
目に入りやすい位置を選んで、お気に入りの洋書をディスプレイしてみてください。
海外風リビングを演出したい場合は、コーヒーテーブルやテレビボードの上に、数冊の洋書を重ねるのがおすすめ。その上にキャンドルや花瓶を置くと、こなれた雰囲気になります。
──寝室──

寝室に洋書をディスプレイする際は、ベッドサイドがおすすめの場所です。
ベッドサイドのチェストに洋書を立てかけることで、ナイトランプの柔らかな光りと共に、寝室に穏やかな時間を演出できます。
一日の終わりにふと眺めたくなる、そんな存在感が寝室にディスプレイされた洋書の魅力です。
──玄関・エントランス──

玄関やエントランスに洋書をディスプレイすることで、「住まいの第一印象」にも変化が現れます。
たとえばコンソールテーブルの上に洋書を重ね、香りのディフューザーや小さな花瓶を添えると、上品な「迎え入れる空間」に。
季節ごとに花や小物を変えると、洋書が背景としていきてきます。
──キッチン──

料理やカフェに関する洋書は、キッチンにもよく合います。
棚やカウンターに無造作に立てかけると、海外のカフェのような空気感に。たとえば、コーヒーグッズの横に洋書を1冊置くだけで、まるでバリスタの家のような雰囲気を演出できます。
──廊下やトイレなどのちょっとしたスペース──

小さなスペースこそ、洋書のディスプレイが映える場所。空いた棚やニッチに1冊置くだけで、まるでその場がギャラリーのような印象になります。
洋書と一緒に、小さなオブジェを置いて華やかさをプラスするのも、洋書ディスプレイのテクニックのひとつ。
短い時間しか滞在しない場所だからこそ、ちょっとした美しさを演出してみてください。
まとめ|洋書のディスプレイがインテリアを格上げする
日本で販売される本は、読み物として置かれることが多いですが、洋書は部屋の印象を左右するディスプレイとして活躍することも多い存在です。
洋書の色や質感、置く場所を意識するだけで、空間全体が洗練されて見えます。
お気に入りの空間に洋書を一冊加えて、心が整うインテリアを楽しんでみてください。