枝ものは花とはまた違った、静かな存在感をもたらしてくれるインテリアアイテムです。

凛とした立ち姿や自然の曲線が美しく、一本あるだけで空間に季節のリズムが生まれます。

リビングや玄関など、さまざまな場所で楽しめる枝ものですが、飾り方や手入れのコツを知っておくと、より長く美しく楽しむことができます。

この記事では、枝ものをおしゃれに見せるポイントと、長持ちさせるための工夫をご紹介します。

 

枝ものをおしゃれに見せる飾り方のコツ

花瓶に飾る植物は、花だけとは限りません。

たとえば茶色の枝と揺れる葉に自然の気配をたっぷり感じる「枝もの」。ドウダンツツジやユーカリなどの枝ものを花瓶に生けることで、空間に穏やかな雰囲気が増します。

ここでは、枝ものをより美しく見せるための基本のポイントをご紹介します。

 

──1. 倒れない花瓶を選ぶ──

枝ものは通常の切花よりも背が高いため、花瓶が軽いとバランスを崩して倒れてしまうことがあります。

そのため枝ものを飾る際は、底に重みのある花瓶を選ぶと安心です。

また、花瓶の高さも考慮しましょう。

枝ものの重心は上部にあるため、背の低い花瓶では、枝ものの頭が垂れて見栄えが悪くなります。それだけでなく重心のバランスを崩し、花瓶が倒れてしまうこともあるかもしれません。

花瓶の高さは枝の長さの3分の1ほどになるものを選ぶと、全体のバランスがきれいに整い、転倒のリスクも減らせます。

 

──2.花瓶にはざっくり枝を入れる──

枝ものは、整えすぎず「ばさっと」ざっくり入れるくらいがちょうどいいです。ランダムに枝が広がることで自然な動きが生まれ、枝の表情がいきいきと見えます。

反対に、きっちり揃えてしまうと片側に偏ってしまったり、全体が平面的に見えてしまうことも。

自由に枝を伸ばしながら、空間にゆとりをもたせるように飾るのがポイントです。

 

──3.枝の配置は「左右非対称」──

枝ものの美しいバランスをつくるには、左右対称ではなく非対称を意識するのがコツです。

たとえば右側に7割、左側に3割のボリュームを置くようにすると、動きのある構図になります。

 

枝の本数が多い場合は、3方向に分かれるように配置しても自然で美しい仕上がりに。

完璧な形を目指すよりも、「少し崩れているくらいがちょうどいい」と考えると、抜け感のあるスタイリングになります。

 

──4. 枝ぶりをしっかり見せる──

枝ものの魅力は、その枝ぶりにあります。

枝部分がしっかり見えるように、花瓶の高さに注意してください。背の高い花瓶を活用する場合は、透明なガラスの花瓶を使うと、枝ぶりがしっかり見えるのでおすすめです。

花瓶に入れる前に全体のシルエットを眺めて、「どの角度がいちばん美しいか」を確認すると、より完成度の高い飾り方になります。

 

枝ものを長持ちさせる方法

枝ものは、ほんの少しの工夫で驚くほど長持ちします。

ここでは、長く楽しむために覚えておきたい基本のケア方法と、枝選びのポイントをご紹介します。

 

──最初から長持ちする種類を選ぶ──

枝ものは種類によって持ちの良さが大きく異なります。

たとえば「ドウダンツツジ」「ユーカリ」「ナンキンハゼ」「ヒバ」などは、初心者でも扱いやすく、比較的長く楽しめる枝ものです。

 

──水揚げをしっかり行う──

枝ものを飾る前に大切なのが、水揚げのひと手間です。枝ものを購入したら、なるべく早く水揚げを行いましょう。

基本的な水揚げ方法は、たくさんの水を入れたバケツの中に枝ものの先端を浸けて、切り口を斜めにカットするやり方です。

枝ものに元気がなくなってきたり枯れてきたりしたら、斜めに枝を切った後に約70~80℃程度の高温のお湯に浸す「湯揚げ」も検討してみると良いでしょう。

 

──直射日光やエアコンの風を避ける──

直射日光や冷暖房の風が直接当たる場所は、枝ものを飾る際は避けたほうが良い場所です。葉が乾燥しやすく、劣化が早まります。

少しでも枝ものを長持ちさせるには、風の通りがよく、穏やかな明るさのある場所に飾りましょう。

 

──葉を間引いて風通しをよくする──

枝ものに限らず、植物は葉が多すぎると蒸れやすくなります。水の吸い上げにも悪い影響を与えるため、花瓶に入れる前に水に浸かる部分の葉や、見栄えの悪いところに生えている葉は、取り除きましょう。

全体のバランスを見ながら間引くことで、枝ぶりの美しさもより引き立ちます。

 

まとめ|枝もののある暮らしで季節を感じる

枝ものは、暮らしの中に季節の移ろいや自然の息づかいを感じさせてくれる存在です。

たとえシンプルな花瓶に一本挿すだけでも、空間がぐっと洗練されつつ、穏やかな雰囲気も増します。

飾り方やケアのコツを押さえれば、手間をかけずに長く楽しむことができるのも魅力です。

日々の暮らしに枝ものを取り入れて、季節を感じる豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。