切り花が部屋にあることで、空間に彩りが生まれます。しかし花の命は短いため、鮮やかな花の姿を堪能できるのは、ごくわずかな時間のみです。

切り花を長持ちさせるために有効なお手入れ方法を取り入れて、より長く、花の美しさを楽しみましょう。

この記事では、切り花を長持ちさせる方法をご紹介します。「裏技」の注意点や、長持ちする花もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

 

切り花を長持ちさせる基本の方法

「切り花を購入したのに数日で枯れてしまった」という経験を持つ方は多いと思います。切り花を長持ちさせるには、次の点に注意が必要です。

 
──飾る場所に気をつける──

切り花を飾る際は、置く場所に注意しましょう。日光が当たりすぎる場所や気温が高すぎる場所は、切り花の水分を奪ってしまいます。

また、エアコンの風も切り花を乾燥させる原因です。高温多湿の空間も、水に雑菌が増えるため避けたほうが良いでしょう。

切り花の健康を維持し長持ちさせるためには、花を飾る場所は日陰の涼しい場所を選びましょう。

 
──水をこまめに変える──

花瓶の水に雑菌が繁殖すると、切り花は枯れやすくなります。夏は毎日、春や秋は3〜5日に1回、冬は1週間に1回ほどの頻度で、水替えをしましょう。

 
──茎を清潔な状態にする──

切り花の茎には、水垢や植物の水分によってぬめりが生じることがあります。水替えの際は、茎もきれいに洗い、雑菌が繁殖しないようにしましょう。

また、茎の先端を5mmほど切り落とす「切り戻し」も、茎を清潔な状態に保ち、花を長持ちさせる方法として有効です。切り戻しは茎を水に浸けた状態で行いましょう。可能であれば毎日、最低でも2〜3日に1回は切り戻しをすることで、花を長持ちさせられます。

 
──花瓶を清潔な状態にする──

花瓶をきれいな状態に保つことも、花の鮮度を守る上で大切なポイントです。水替えの際は、花瓶を食器用洗剤で洗いましょう。

洗剤をつけたスポンジがすっぽりと入るサイズの花瓶を使うことも、切り花を長持ちさせる上で欠かせないポイントです。花を活ける花瓶は、口が広いタイプといったメンテナンスがしやすい形状のものを選びましょう。

 
──葉やつぼみ・枯れた花を落とす──

切り花にたくさんの葉がついている場合は、切り落としてください。多すぎる葉っぱは、葉から水分が蒸発するため、茎や花に栄養が行き渡りにくくなります。また、葉が密集している部分は通気性が悪くなり、切り花が枯れる原因になります。

つぼみも、切り花のエネルギーが集中してしまう原因です。花の美しさを堪能するために、切り花のつぼみは切り落としましょう。

 
──花粉を取る──

開花している切り花が受粉しないように、花粉は取り除くのがおすすめです。

受粉が完了した花は、役割を終えてしまうため急速に枯れていきます。花を長持ちさせるために、花粉部分は摘まんで取り除きましょう。

 
──花束のラッピング材はすべて外す──

花束は形が崩れないようにフィルムで包まれていたり、茎部分が輪ゴムで縛られていたりすることがあります。

しかしラッピングがあることで、花や葉が密集して蒸れてしまいます。花を長持ちさせるために、花瓶に活ける際は全て取り除きましょう。

 

「切り花を長持ちさせる裏技」は応急処置として活用しよう

切り花を長持ちさせる裏技として、漂白剤や10円玉の使用などが挙げられます。これらのアイテムは適切に使用することで、花の延命効果を得られる可能性があります。

漂白剤……殺菌効果 大きな花瓶に1滴程度が使用目安
10円玉……殺菌効果 花瓶には数枚入れる。水替え頻度を落とさない
砂糖………栄養 バイキンの栄養にもなるため頻繁に水替えが必要
食器洗剤…殺菌効果 大きな花瓶に1滴程度が使用目安
…………殺菌効果 大きな花瓶に1滴程度が使用目安
重曹………殺菌効果 バイキンの栄養にもなるため頻繁に水替えが必要

ただし、日用品や食品を使用した延命方法は、やり方を間違えると花の寿命を縮めてしまう原因になります。

花を長持ちさせるのであれば、花用の延命剤を使用したほうが安心です。「裏技」は、延命剤が手に入らないときの応急処置程度に、取り入れたほうが良いでしょう。

 

水切り・水揚げ・湯揚げの方法

花を長持ちさせる方法として、水切りや水揚げ、湯揚げなどがあります。これらの花のお手入れ方法は、花屋でも取り入れられているテクニックです。

やり方を覚えて、ご自宅の切り花に試してみてください。

 
──水切りの方法──

水切りを行う際は、まず余分な葉やつぼみを切り落とします。

その後、水の中で茎を5mm〜1cmほど切り落としましょう。切り落とす際に使用するハサミは、工作用や文房具用ではなく、園芸用を使用したほうが安心です。

園芸用のハサミは切れ味が良く、茎を傷つけるリスクを減らせます。

切り口は斜めにすることで、断面が広くなり、水の吸水率が良くなります。茎の中にワタがある植物は、ワタをかき出してください。

また、茎がやわらかく潰れやすい植物の場合は、断面が真っ直ぐになるように切ったほうが良いでしょう。茎への負担を軽減できます。

茎が硬く、切り落とすのに力がいる花の場合は、ハサミで茎の先端に十字の切り込みを入れます。

ここまでが「水切り」の方法です。

 
──水揚げの方法──

次は、水揚げの方法を見ていきましょう。

水揚げでは、水切りした花を新聞紙に包んで水に浸します。新聞紙は茎と花の全体を包むようにして巻きましょう。

その後、茎の半分〜1/3ほどが浸る量の水を張ったバケツに、水揚げした花を入れます。延命剤は、このタイミングで使用しましょう。

水に浸して半日ほど経過したら、新聞紙を外して清潔な水を入れた花瓶に生けてください。

 
──湯揚げの方法──

茎が硬い花に元気がないときは、湯揚げを試してみるのもおすすめです。
湯揚げとは、水切りをした後の花を茎ごと新聞紙で覆い、80℃以上の熱湯に浸すお手入れ方法のことをいいます。

熱湯に切り口を浸すことで、茎の中の気泡が排出され、吸水性が良くなります。

熱湯に浸す時間は、2〜3秒程度です。茎の切り口からぶくぶくと気泡が出たのを確認したら、すぐに清潔な水で水揚げを行ってください。

 

長持ちする花とは?

切り花を迎えるのであれば、なるべく長く、花の美しさを堪能したいと考えるもの。しかし、根を失った花の寿命は、どれも決して長くありません。10日ほど持てば、十分といえるでしょう。

少しでも花の美しさを長持ちさせたい方は、季節の花を選ぶのがおすすめです。そのときの天候・気候に沿って元気に育つ花を選ぶことで、切り花になっても長く開花時期を楽しめる可能性があります。

空間に季節感を演出するアクセントにもなるため、切り花として迎える花は、旬の花を優先的に選んでみてください。

 
──アーティフィシャルフラワーも検討してみよう──

切り花は短命のため、美しさを長く楽しむことはできません。儚い美しさがありますが、コストパフォーマンスを考慮すると、導入に躊躇(ちゅうちょ)するのではないでしょうか。

花の状態を長く楽しみたい方は、アーティフィシャルフラワーも検討してみましょう。アーティフィシャルフラワーは花のもっとも美しい状態を再現して、つくられています。枯れることなく、活き活きとした姿を半永久的に保つため、いつまでも美しい状態の花を堪能できます。

 

花を長持ちさせる方法を取り入れて切り花を楽しもう

切り花を長持ちさせるには、花を飾る環境や日々のお手入れなどが大切です。ご紹介した内容を参考にして、切り花の美しさを長く堪能してください。

マチュリテでは、切り花と変わらない美しさを持つアーティフィシャルフラワーを数多くご用意しています。フラワーアレンジメントのご相談も承っているので、ぜひ、お気軽にご相談ください。

スタッフ一同、心よりご来店をお待ちしております。