部屋に入った瞬間、自然と視線が吸い寄せられる場所。それが「フォーカルポイント」です。

インテリアを整える上で見聞きすることはあるものの、フォーカルポイントをどうつくればいいのか、何を置けばいいのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

フォーカルポイントの作り方は、それほど難しいものではありません。今の部屋に少し手を加えるだけで、空間の印象がぐっと洗練されるフォーカルポイントが完成します。

この記事では、フォーカルポイントの基本的な考え方からつくる場所の選び方、取り入れやすいアイテムなどを具体的に紹介します。

 

フォーカルポイントとは

フォーカルポイントとは、部屋に入ったときに最初に目が向かう場所のことです。

たとえば、壁の一部だけ色が違ったり、存在感のあるオブジェが置いてあったりすると、自然とそこに視線が集まります。それが空間の「フォーカルポイント」となります。

フォーカルポイントをつくることの大きな魅力は、空間にメリハリが生まれる点です。シンプルな空間や物の少ない部屋、逆に家具類が多く並べられた店舗などにフォーカルポイントを取り入れることで単調な空間にリズムを生み出し、雑多な空間にはまとまりを感じられるようになるでしょう。

また、フォーカルポイントがあることで、その空間のテーマもよりはっきりします。たとえば日本では珍しい暖炉が空間にあると、自然と視線がそこに集中するのではないでしょうか。さらに、暖炉によって「クラシカルな欧風」というテーマがその部屋に自然と定着します。

イメージが集客やブランド力に大きく影響を与える店舗などでは、フォーカルポイントはとくに取り入れたい演出です。

そのほかにも、フォーカルポイントには次のような魅力もあります。

 ● 空間に奥行きが生まれる
 ● 視線が整理されて、部屋が整って見える

このように、フォーカルポイントはインテリアをただ「きれいにする」だけでなく、空間全体の印象を底上げする役割を担っています。

 

フォーカルポイントはどこに作ればいい?

フォーカルポイントをつくる場所の基本は、部屋に入ったときに最初に目に入る場所です。このルールは、玄関でもトイレでも変わりません。入口から見て正面にあたる壁や、自然と視線が向かう方向を意識することで、フォーカルポイントが効果的に機能します。

ただし、部屋の間取りによっては、目に入る場所が部屋の真ん中になることもあります。そのような場合、家具のレイアウト上、真ん中にフォーカルポイントを設けることが難しいこともあるでしょう。

そういったときは無理に真ん中にこだわらなくても問題ありません。たとえば、ソファに腰かけたときによく見える壁や、食事中に自然と視線が向く場所など、日常の中で視線が集まりやすい場所を選ぶのも良い方法です。

 

フォーカルポイントとして何を飾る?

フォーカルポイントとして活用できるアイテムは、実にさまざまです。ここでは、取り入れやすいアイテムを具体的にご紹介します。

 

──フォーカルポイントの基本は色がある物を選ぶ──

フォーカルポイントに飾るアイテムに迷ったときは、まず「色があるもの」を選ぶことをおすすめします。

日本のインテリアはブラウンやホワイト系でまとまることが多く、全体的に色味が少なくなりがちです。そこにパステルカラーや個性的な色合いのアイテムが加わるだけで、視線を自然と引き込むフォーカルポイントが生まれます。

デザインに特徴のあるものをフォーカルポイントにするのも素敵ですが、手軽に始めたい場合は、まず色のあるアイテムを取り入れることから試してみてください。

 

──花や植物──

花や植物は、フォーカルポイントとして特に活躍するアイテムです。華やかさや自然ならではの生命力が、人の視線を自然に惹きつけます。

飾る花・グリーンの種類は、インテリアのイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。ただし、大きな花束や背の高いグリーンを飾る際は、空間とのバランスを見ることが大切です。

大きな植物は存在感がありフォーカルポイントとして確かに機能しますが、スペースによっては印象が強くなりすぎることもあります。

一輪挿しのような小さなものでも、植物が加わるだけで空間のイメージは大きく変わるもの。まずは小さな植物から取り入れつつ、空間の広さに合わせて植物を増やしたり、サイズの大きなタイプに入れ替えたりしてみてください。

 

──絵・写真などのアート作品──

アート作品は、空間に個性をもたらしてくれるフォーカルポイントです。

壁に飾る場合、高さは人の目線くらいを意識すると、自然と視線が向かいます。さらに、壁の形状にも注目してみてください。横に長い壁には横長の作品を、縦長の壁には縦型の作品を合わせると、壁との調和が取りやすくなります。

また、壁に掛けるだけでなく、床に直接立てかけたり、椅子の上に置いたりするのも、アートの存在感を引き立てるテクニックのひとつです。絵や写真のほかに、お気に入りの本や雑誌を飾るのも、手軽でおすすめのフォーカルポイントの作り方です。

 

──時計──

意外にも、日用品である時計もフォーカルポイントとして機能するアイテムです。

最近はおしゃれなデザインの壁掛け時計や、時刻を壁に投影する投影時計など、インテリアとしても魅力的な選択肢が増えています。

また、こうした現代的でスタイリッシュな時計も素敵ですが、クラシカルで重厚感のある時計は、部屋のテーマをより明確に定めてくれます。

時計は生活の一部であり、日常的にも目にする機会の多い存在です。そのためフォーカルポイントとして高い効果を発揮します。

「時間がわかれば良い」という意識だけで判断せず、インテリア性も含めて、暮らしに取り入れてみてください。

 

──アクセントクロス──

壁そのものをフォーカルポイントにする方法もあります。

壁をフォーカルポイントとする場合の方法として一般的なのが、アクセントクロスです。アクセントクロスとは、壁の一面だけ異なる色や柄のクロスを取り入れる手法のこと。

壁の一部にデザイン性を加えることで、空間全体に個性を与えられます。

また、クロスに限らず、ウッドウォールやタイル壁などもフォーカルポイントとして良い選択肢です。素材の質感が加わることで、空間の表情にも豊かさが加わるでしょう。

 

──椅子・ソファー・カーテンなどのファブリック──

部屋に入ったときに、すぐ目につくのが家具やカーテンという場合もあります。そのようなとき、家具やファブリックそのものをフォーカルポイントとして捉えてみましょう。

たとえば、存在感のあるアームチェアや、色や素材にこだわったソファは、それだけでインテリアの主役になります。カーテンも、素材や色で空間の印象を大きく左右するアイテムです。

 

──照明──

天井にある照明は、部屋に入った瞬間に目が向くものではないかもしれません。しかし、スタンドライトやウォールライトは視線に入りやすく、フォーカルポイントとして十分な存在感を持ちます。

照明は色があるアイテムではありませんが、デザインの個性や光の広がり方によって、空間のテーマを印象づけることも可能です。

空間を演出するアイテムとして、ぜひ取り入れてみてください。

 

フォーカルポイントを決める上での注意点

フォーカルポイントがあることで、空間の表情が引き締まるように感じられます。

ただし、取り入れ方を間違えると雑然とした印象になることも。

ここでは、フォーカルポイントをつくる際に意識しておきたい注意点を3つ紹介します。

 

──空間全体とのバランスを見る──

フォーカルポイントは、空間全体のテイストに合わせることが基本です。

テイストが異なる物、たとえばクラシカルで重厚感のある空間にポップなアイテムを置くと、たしかに存在感があり視線も集まりやすいですが、空間全体で見るとそれだけが浮いて見えてしまいます。

空間のテイストから外れず、それでいてぱっと目を惹きつけるようなアイテムをフォーカルポイントに設定してみてください。

また、フォーカルポイントは目立つ色や物を用いることが基本ですが、強すぎる色の壁や大きすぎるアートは、空間の中で「うるさい」と感じてしまうこともあります。

「目を引く」と「浮いている」は紙一重のため、全体との調和を意識し、洗練された印象に整えていきましょう。

 

──フォーカルポイントを増やしすぎない──

フォーカルポイントの主役は、ひとつ、多くてもふたつまでを目安にしましょう。

あれもこれもとフォーカルポイントを増やしてしまうと、どこに視線を向ければいいかわからなくなり、空間が落ち着かない印象になってしまいます。「ここを見てほしい」という場所を絞ることが、空間全体をすっきりと見せるポイントです。

 

──生活感の強いものをフォーカルポイントの近くに置かない──

フォーカルポイントをつくっても、その近くにティッシュやテレビリモコン、むき出しの配線などが置いてあると、空間の印象が一気に崩れてしまいます。

生活感が出やすいアイテムは、視線の中心から外す設計が大切です。

フォーカルポイントの周辺には余白をつくり、視線が自然とそこに集まるよう整えてみましょう。

 

まとめ

フォーカルポイントとは、部屋に入ったときに自然と視線が向かう場所のこと。それを意識的につくることで、空間にメリハリと奥行きが生まれ、部屋全体が整って見える効果があります。

花や植物、アート作品、壁掛け時計、照明など、取り入れやすいアイテムはさまざまです。まずは今の部屋の中で「どこに視線が向かうか」を意識してみることから始めてみてください。