真鍮は、置く場所や時間帯によって表情が変わり、空間に彩りを添えてくれる素材です。
それでいて、強く主張しすぎない金色は、どんな部屋にも自然に溶け込みながら、暮らしにあたたかさと上品さをもたらします。
この記事では、真鍮の特徴や取り入れ方のコツをまとめています。お部屋づくりのヒントとして、気になるポイントがあれば参考にしてみてください。
真鍮インテリアの魅力とは

真鍮は、置く場所の光や時間の経過によって表情が変わる、味わい深い素材です。
華やかさがありながら、落ち着いた雰囲気も併せ持つ輝きは、インテリアの印象を上品に整えてくれます。
ここでは真鍮ならではの魅力を3つ、ご紹介します。
──柔らかい金色がインテリアに深みを与える──
真鍮の金色は、一般的なゴールドのように強く主張せず、やわらかな輝きをまとった落ち着いた色味が特徴です。また、光の当たり方によって、その輝きの見え方が変化します。
たとえば、日中の光に照らされた真鍮はきらきらと輝いて見え、空間に明るさを与える存在となります。一方で、夜の間接照明に照らされた真鍮は、影の中でやわらかな金色がぼんやり浮かび上がり、空間に重厚感を与えます。
このように、真鍮は軽やかさも重さも両方を添える存在として、空間に深みを演出してくれるアイテムです。
──経年変化でアンティークのように育つ──
真鍮は時間が経つほどにくすみや色の変化が現れ、唯一無二の風合いへと育っていきます。
購入したばかりの明るい金色から、徐々に落ち着いた深みのある色調へ変わるため、インテリアの「育つ楽しみ」を感じられるでしょう。
また、磨けば元の輝きに戻るため、好みに合わせて表情を変えられる点も魅力です。
長く使うことで、暮らしの時間が素材にやわらかく刻まれていきます。
──どんな素材とも馴染む──
真鍮は自身の存在感が強い素材です。しかし実は調和を取りやすいアイテムでもあり、木材の温かさやガラスの透明感、陶器の質感など、異なる素材とも空間の中で溶け合うことができます。
また、組み合わせる素材によっては、お互いの魅力が引き立つことも。たとえば木と真鍮を組み合わせれば、真鍮のおだやかな華やかさが木の自然な風合いに寄り添い、木の持つ優しさをより強調します。
真鍮は周囲の素材が引き締まり、インテリア全体の格上げを叶える存在でもあるのです。
インテリアで真鍮を取り入れる際のポイント

真鍮アイテムはサイズが小さな物でも存在感があるため、置く場所や組み合わせ方によって印象が大きく変わります。
とくに初めて取り入れる場合は、光の当たり方や色のバランスを意識することが大切です。
ここでは、真鍮アイテムを空間に迎え入れる際のポイントを紹介します。
──光の当たり方を考慮する──
真鍮は光の入り方によって表情を変える素材です。
たとえば日中は自然光をやわらかく反射し軽やかな印象をつくる一方、夜の照明では落ち着いた光をまとい、しっとりとした雰囲気へと変化します。
この「光によって表情が変わる特性」を生かせる場所、たとえば窓際や間接照明が当たる場所などに真鍮アイテムを飾ることで、時間帯や季節によって変化する魅力を楽しめるでしょう。
──小さめのアイテムから取り入れると調和しやすい──
真鍮は存在感がある素材のため、大きなアイテムをいきなり置くと、輝きが強く感じられたり、周囲とのバランスが取りにくくなることがあります。
まずは小ぶりな花器やトレイ、オブジェなどから取り入れると、空間のほどよいアクセントとして空間に馴染むでしょう。
──色数を増やさない──
真鍮を取り入れるときは、周囲の色を増やしすぎないこともポイントです。
真鍮の金色は存在感が強いため、背景となる家具や壁、ほかの小物も色を足しすぎると、ややまとまりのない印象になります。
色を絞ることで、真鍮の魅力が自然に引き立つスタイリングが完成します。
真鍮インテリアのお手入れ方法

真鍮は使い続けるうちにくすみが生まれますが、この変化こそが味わいとなり、素材ならではの魅力につながります。
ただし、経年劣化が魅力につながるといっても、一切の手入れをせず長期間放置し続けることはおすすめしません。
真鍮の色褪せやくすみは、大切に扱うからこそ趣を感じられるもの。放置して生まれたものは、「さびれ」や「劣化」というマイナスな印象を生む可能性もあります。
真鍮の心地よい経年変化を楽しむためには、気づいたときに、乾いた布で軽く拭いてください。ゴールドの輝きをなるべく長く楽しみたい場合は、柔らかい布に少量の金属磨きをつけ、表面を優しく磨くと明るい色味が戻ります。
真鍮と相性の良いインテリア素材
真鍮は、組み合わせる素材によって印象が大きく変わる、多彩な表情を持つ素材です。どんなアイテムと並べるかによって、輝きが際立ったり、落ち着いた雰囲気が生まれたりします。
ここでは、とくに真鍮との相性が良い3つの素材をご紹介します。
──木 × 真鍮──

木のやわらかな質感と真鍮の穏やかな輝きは、互いの魅力を引き立て合う組み合わせです。木の温かさに寄り添うように真鍮が光を受け、落ち着きのある印象をつくります。
──ガラス × 真鍮──

ガラスの透明感と真鍮の輝きが合わさると、軽やかさの中に上品さが生まれます。金の印象が重くならないことから、棚やテーブルの上でも取り入れやすい組み合わせです。
──陶器 × 真鍮──

落ち着いた色味の陶器と真鍮を組み合わせると、真鍮がほどよいアクセントとなり、全体を引き締めてくれます。
穏やかな上品さを演出したい際に、おすすめの組み合わせです。
まとめ|真鍮のある暮らしで空間に深みを添える
真鍮は、小さなアイテムでも部屋の雰囲気を変えてくれる素材です。「少しだけ空間のイメージを変えてみたい」と感じたときに、真鍮をひとつ迎えてみてはいかがでしょうか。
光の中できらめく姿や、時間とともに深みを増していく変化は、暮らしのひとつの楽しみにもなるでしょう。
お手持ちのアイテムと組み合わせて、ぜひ、真鍮の持つあたたかな魅力を暮らしの中で味わってみてください。