重厚感があり、落ち着いた雰囲気を演出できる「男性インテリア」。
黒やグレーを基調に、無駄のないシンプルな構成と質の高い素材を使った空間は、住まいや店舗でも人気のスタイルです。男性らしさを感じさせる空間は、整っていて清潔感があり、信頼感や高級感を印象づける効果もあります。
この記事では、そんな男性インテリアをつくるために意識したいポイントや、スタイルの例をわかりやすくご紹介します。
男性インテリア」の魅力とは?
定番の人気である「男性インテリア」。
「メンズライクインテリア」「男前インテリア」などと呼ばれることもある、男性らしいこのかっこいいインテリアテイストは、男性はもちろん女性からも高い人気を誇ります。
一人暮らしの家やリビング、店舗などにも男性っぽさを感じるインテリアを取り入れる事例は多く、その魅力は空間全体に落ち着きと整然とした印象をもたらしてくれることにあります。
余計な装飾を控え、素材や色の質にこだわった男性インテリアは、限られたスペースでも高級感を演出しやすく、洗練された空間づくりに最適です。
重厚で落ち着いた空間をつくるための5つの要素
「男性インテリア」といっても、ただ色を暗くすればよいわけではありません。
重くなりすぎず、上質でまとまった空間に仕上げるには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
ここでは落ち着きと洗練を両立させるために意識したい、5つの要素をご紹介します。
──1. 色|重くなりすぎない深みのある色を選ぶ──
チャコールグレーやネイビー、ウォルナットブラウンといった深みのある色は、空間に落ち着きと大人の雰囲気をもたらします。
ただし、壁・床・家具すべてを暗色でまとめてしまうと圧迫感が出てしまうこともあるため、バランスが大切です。
空間の色バランスを整えるのにポイントとなるのが、「明暗のグラデーション」です。
暗い色を基調にしながらも、明るめの木材や白陶器、メタリックなアクセントなどを加えることで、重厚感がありながらも軽やかさのある、バランスの取れた印象に仕上がります。
──2. 素材|艶とマット、硬質と柔らかさをどう使うか──
素材の選び方は、空間の質感を決定づける重要な要素です。
たとえば、真鍮やレザーのように艶のある素材は高級感を演出し、木や陶器のようなマットな素材は空間に落ち着きを加えてくれます。
単調な空間にならないようにバランスを取るためには、こうした異なる質感を組み合わせて「緩急」をつけるのもポイントです。
たとえば、マットな陶器の花器に真鍮のトレイを添える、革張りのチェアにリネンのクッションを置くなど、小さな異素材の組み合わせでも空間に奥行きが生まれます。
──3. 光|直線的な光よりも陰影を意識する──
空間の印象は、照明によって大きく変わります。とくに重厚感や落ち着きを重視するインテリアでは、光の強さよりも「当て方」が大切です。
ダウンライトや間接照明、フロアランプなどを活用しやわらかな陰影をつくることで、空間に静けさが生まれます。また、ガラスや金属など光を反射する素材を取り入れると、光がやわらかく広がる印象になります。
──4. 配置|「余白」が空間にゆとりを生む──
男性的で重厚感のある空間づくりをする場合は、物をたくさん置くよりも、「何を置かないか」を考えることが大切です。
視線がすっと抜けるような余白があることで、大人のゆとりと落ち着きを演出できます。
家具や装飾を詰め込みすぎず「重みのあるものを少なく置く」ことを意識して、空間づくりをしてみてください。無駄な装飾のない空間では、アイテムそれぞれの凛とした表情も際立ちます。
──5. 香り|空間の「男性インテリア」のイメージを強める──
視覚や触覚だけでなく、香りも空間の印象を左右する重要な要素です。
ウッドやレザー、スパイス系の香りは、深みと落ち着きを感じさせる「男性らしさを感じる香り」として多くの空間に取り入れられています。
ルームディフューザーやアロマキャンドルなど、見た目にも美しいアイテムを選ぶと、インテリアとしても楽しめるでしょう。
6畳ほどのコンパクトな空間でも品格は表現できる
広さが限られていても、空間に品格を宿すことは十分に可能です。
ポイントは広く見せる工夫をするのではなく、限られた空間をどのように整えるかにあります。
たとえば重みのある家具を一つだけ置いて空間を引き締めたり、視線が抜ける余白をつくったりすることで、面積以上に質の高い空間を演出できます。
照明や素材の選び方にもこだわり、あえて陰影をつくることで、空間に深さと奥行きをもたらすことも可能です。
限られた空間の中であっても、「少ないからこそ映える美しさ」を意識すれば、洗練された印象は十分に表現できます。
落ち着いた印象を演出できるインテリアスタイル
空間に落ち着きや深みを加えるには、スタイルの選び方もひとつの手がかりになります。
ここでは、男性インテリアと相性の良い代表的なスタイルをご紹介します。
──ミッドセンチュリーモダン──
曲線と直線が調和したデザインが特徴で、木材・革・金属などの素材感が生きるスタイルです。
レトロ感のあるアイテムの渋さと現代的な洗練されたアイテムを組み合わせることで、大人の上質なくつろぎ空間をつくれます。
──インダストリアル──
無骨な鉄やコンクリート、レザーを中心に構成する硬質なスタイルです。
無機質な素材をベースに、照明や植物で柔らかさを添えるとバランスが整います。
──ホテルライク──
モノトーンや光沢感のある素材を使い、生活感を抑えた静かな高級感を演出します。
陰影を活かした照明と、余白のある配置がポイントです。
まとめ|整った空間が演出する深さと品格
男性インテリアの魅力は、派手な装飾ではなく、落ち着きの中にある強さや品の良さにあります。
それを実現するためには、深みのある色、素材の重み、余白の取り方などを考慮して、空間全体に整った美しさをもたらすことが大切です。
洗練された静かな空間は、それ自体がメッセージとなり、訪れる人に信頼感や安心感を与えてくれます。
ぜひインテリア選びのひとつの視点として、取り入れてみてください。